【No.35】『大いなる眠り』『ジャイロスコープ』『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』など読了
こんにちは。
3か月ぶりの更新となってしまいました。^^;
気付けば2019年!今年も宜しくお願いします。
先月作ったクリスマスケーキ↓
ババロアケーキにしてみました。
さて、ここ最近読んだ本をまとめて。
■『大いなる眠り』
www.hayakawa-online.co.jp「強くなければ生きていけない、優しくなければ生きていく資格はない」
で知られる探偵フィリップ・マーロウ。
そのシリーズ第一作。
マーロウが石油富豪一家の闇に探り込んでいく話。
はっとする比喩表現が散りばめてあり、面白い。
依頼者のセレブ姉妹のパーティピープルぶりも興味深い。
いくつかの殺人が話に出てくるけど、お抱えの運転手を殺したのは誰なのか?
それが最後まで分からなかったなあ、よく読めばどこかに伏線があったのかなあ…と思っていた。
解説によると、当時作者のチャンドラー氏に犯人を聞いた人がいて、「私も知らない」と答えたそうだ……|д゚)
そんな裏話を盛り込んだ解説も面白い。
春樹のチャンドラーへの愛が感じられる(カズオ・イシグロ氏とチャンドラーの素晴らしさについて熱く語り合ったそうだ)。
チャンドラー氏は、三流文芸雑誌の出身。遅咲きのミステリー作家。
生活費を稼ぐために型にはまった書き方をせざるを得なかったそうだけど、
それが逆に氏の小説執筆における足りないところ(プロットづくり)を補ってくれたようで、
生来の表現能力を存分に小説に活かすことができたそうだ。
チャンドラーもこれで3冊目。
良かった順番は、
1 ロンググッドバイ
2 大いなる眠り
3 プレイバック
有名どころをもう読んでしまったのがさびしい。
■『ジャイロスコープ』
久しぶりに伊坂幸太郎。
一時期、もう面白くなくなったと思って遠ざかっていたのだけど…
いやいや、やっぱり面白い。
この方の本は、いつもラストがほんのり明るいのが良いと思う。
悪い人もずるい人もいるけど、作者がみんなに優しい目を持っている感じがする。
『ゴールデンスランバー』『モダンタイムス』あたりが
伊坂幸太郎の全盛期だったのかと勝手に思って遠ざかっていたけど、
これだけの力量を持った作家さんだから、
またスゴい作品を書いてくれると再認識しました。
そのほか、ノンフィクションをいくつか。
東欧の共産主義学校で一緒に青春を過ごした
三人の親友のその後を追ったドキュメンタリー。
共産主義といってもその中でも複雑な関係や時々の事情が色々あって、
その中で育った子たちが大人になって選んだ国、家族、職業を見ると
やはり生まれ育ちの影響って大きい。
■『哲学するこどもたち』
www.kawade.co.jpすごく面白かった。
フランスは日本とはかなり教育観が違うようだ。
フランスは生まれた環境がその子の知的能力・学歴を決めてしまう部分が日本よりずっと大きい。
進学の試験が、詰め込みの暗記型でもなく、
かといって理論展開力・発想力ともまた違って
「教養」がベースにないと解答できないようなものなのだ。
努力が報われるという点では日本のほうが良いかもしれない。
■『無国籍の日本人』
誰でも無国籍に陥る可能性はある。
人ごとではないと思った。
2018年は書籍の執筆の仕事が増えて、
仕事がらみでノンフィクションを読むことも多かったです。
資料を読むときに、
同じテーマの違う角度・切り口の本も色々読んでいます。
そうすると問題の核心もはっきりするし、
文章の内容も多角的に、奥行きのあるものになると最近つくづく感じます。
2019年も執筆の仕事が色々ありそうですが、
まずなるべく多くの資料にふれる ⇒ 情報の精選 ⇒ 的確に出力。
一冊一冊が自分の血となり肉となるイメージでφ(c・ω・ )ψ モグモグ
本をどんどん読んでいきたいです。