こしごと日記

6・3歳の二児の母。在宅にて書籍の編集をしています。子育て、仕事、美味のつれづれを。

【No.16】ドストエフスキー『未成年』読了 ※ネタバレ注意

こんにちは。れいです。

6歳と3歳の二人の娘を育てています。

昨日、数年ぶりにケンタッキーのチキンを食べたら

胃もたれしました。アラフォーです(-- _ --)

 

ドストエフスキーの『未成年』を読み終えました。

何か月かかったかな?

途中で他の本も読んだり、なんたって長いし、、、

しかし面白かったです。

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ドストエフスキーは何冊か読みましたが、

いつも思うのは、

■人物造形が秀逸

——庶民から大富豪まで。聖人から変態まで。

  あらゆるキャラが出てきます。

  とくにゲスな人物が妙にリアリティがあり、印象深く物語を彩ります。

ex.『カラマーゾフ』のスメルジャコフ、『罪と罰』のスヴィドリガイロフ

  『未成年』ではそこまでゲスい人はいなくて、

  実父ヴェルシーロフと義父マカール老人、

  そしてそして、口は悪いが実はとっても人のいいタチアナ小母さんの

  年配三人衆が素敵でした(*´∨`*)

 

■緩急つけた(つけすぎ?)な構成

——とにかく長い!

  一人ひとりのセリフも長い!

    ※ドストエフスキー作品中の「○○分の会話」をセリフどおりに実演したら、

   実際に○○分かかったそう。要約しない・割愛しない・はしょらないということでしょうか。

  前半は、主人公の設定やら周囲の環境やらそういった伏線が

  決して分かりやすくなく、くどくどと描かれ、、、

  しかし後半は一気読み。

  物語があるポイントを超えると、

  ドストエフスキーの筆が途端に勢いづきます。

 

『未成年』は、

私生児の主人公と実父との愛憎が物語の主軸なのですが、

夏目漱石『こころ』の主人公と先生との関係を思い出しました。

父への慕情の裏返し、父のミステリアスで理知的な雰囲気、

やっと父を理解できたと思ったら、永遠の別れ…

(と思ったら未成年のほうの父は復活するのですが)

 

もう一つの主軸が「未成年」な主人公の成長。

青臭く、私生児として孤独に育ってきた彼。

 

プラス彼の生い立ちや周囲の人々のストーリー。

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人物相関図 ※汚くてすみません

 

みんなどこかで繋がっている。

そのエピソードが次から次へと出てきて

かなりプロットが入り組んでます!

頭がごちゃごちゃになるところですが、

相関図書いておいて良かった。

※『未成年』読者の方。

他の作品と違って『未成年』の相関図や人物紹介は

あまりネットにあがってなかったので、

↑これで良かったら利用してください

 

ドストエフスキーの中ではサスペンス色の強い一冊。

 

ロシアの宗教や政治的背景に知識があれば、

もっと深く理解できたかも。

世界史、もっとちゃんと勉強すれば良かったな…

 

 

さてさて。

「ああ面白かった」と余韻に浸りながら

「次に何読もう」とあれこれ考えるのは

とっても楽しいひとときです〔´∇`〕

 

モームガルシア・マルケスあたりまだまだ発掘できそう…とか

夏目・谷崎を再読するのもいいな…とか

この勢いでドストエフスキーの他の本を読むのもいい…とか。

 

とりあえず書店に行ってみて、

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カズオ・イシグロ氏の本にしました。

 

平積みでたくさん並んでいるのを見て、

これだ!!と。

 

楽しみです。